雨季が完全に明ける10月半ば頃から、寒くなり始める11月半ば頃までがベストシーズンとされています。この時期は、終日快晴が続き、行動中ずっとヒマラヤが見えている確率は高くなります。
一方、雨季中の6月半ば~9月頃は、行動中雨に降られることも多いですが、雨上がりの真っ青な空に輝くヒマラヤ、みずみずしい緑の自然は、ベストシーズンの乾季には見られない素晴らしい光景です。
コースや標高によっても異なりますが、月別の状況をまとめてみました。
1月 |
一年で一番寒くなる季節。濃霧の影響で国内線が飛ばないことも多い時期。エベレスト方面は何日もルクラ便が飛ばないことも。天気が崩れると高地では大雪となり、トレッキングができなくなることもある。 3000m地点のロッジ室内気温0度以下。5000m程だと室内気温-20度近く下がることも。汲み置きのトイレの水は凍っている。 3000m周辺の日の当たらない道は凍結していることもあるため、軽アイゼンなどがあった方が安心。 |
2月 |
1月に比べると寒さは多少和らぎ始めるが、例年一度は大きく天候が崩れる。トレッキング地では大雪となり、トレッキングに支障が出たり、ルクラやジョムソン空港が積雪により一週間ほど使用できなくなったりするのも、この季節が多い。 どんなに寒くなっても雪は降らないカトマンズでも、郊外のナガルコット(標高約2100m)や、周辺の丘(チャンドラギリ約2500mなど)では雪が降り、うっすら白く見えるのもこの季節。 |
3月 |
カトマンズやポカラなどでは寒さも和らぎ始める季節。日中日が差していれば半袖で過ごせることもあるが、高地ではひき続き寒い。3000m地点のロッジ室温は引き続き0度くらいまで下がる。 少しずつ暖かくなり始め、アンナプルナベースキャンプ方面では雪崩が発生しやすくなる。例年デウラリ周辺で多発。アンナプルナベースキャンプのロッジが倒壊し、復旧が終わる夏頃まで宿泊不可となる年もよくある。 |
4月 |
春霞により、日中はヒマラヤが見えにくくなる。季節の代わり目で、4月半ば頃からスコールが降り、3000m地点でも雨の影響を受けやすくなる。特にゴールデンウィーク期間は、ポカラでは連日夕方スコールとなることが多く、アンナプルナ方面のトレッキングに支障が出ることがある。(ただし、雨は夕方に古箏が多いので、午前中にその日の行程を歩き終えていれば、影響は少なめ) |
5月 |
一年で一番暑い時期。それでも、カトマンズでは30度を超す日はそれほど多くなく、湿度も低いため、日本の蒸し暑い酷暑に比べれば過ごしやすい気候。一方、チトワンなど南部では終日40度を超える。 5月初旬、ゴールデンウィーク頃には、天気が崩れるとトレッキング地の4000m付近で雪となることもあるが、5月後半になると気温は上がり、4000m付近でも雪となることはあまりない。 |
6月 |
例年雨期入りは6月10日前後。このあと約4か月間雨季が続く。6月中であれば、一日中降り続くことは少なく、1日に何度かスコールのような雨が降る、というパターンが多い。運が良ければ、日中は雨の影響は少ないこともあるが、降り方はその年によって異なる。雨~雪の境界は標高4000m程度。 どのルートもトレッカーは減るため、静かな山歩きを楽しめる。乾季とは違った魅力を体験したいなら6月もおすすめ。乾季には見られない、緑豊かで色鮮やかな、みずみずしい景色を独り占めすることができる。 |
7月 |
雨季本番。しとしと一週間ほど雨が降り続くことも多い月。国内線の欠航や遅延も多い。各地土砂崩れも発生しやすく、ジョムソン、マナン方面のジープ移動はできなくなることが多い。ランタン方面、カトマンズ~ドゥンチェ/シャブルベシ方面の陸路も、例年土砂崩れが発生する場所があり、影響が出ている。 日中雨が降り続き、トレッキングにも支障が出ることが多いが、「ブルーポピー」を探しに行くならこの時期しかない。標高4500m付近で、7月半ば~8月半ばにかけてみることができるが、雨量にも影響するので、開花は年によって異なる。 |
8月 |
引き続き雨の多い時期。 |
9月 |
雨季が終わりそうで終わらない、微妙な時期。シルバーウィーク頃も、雨の影響はほとんど受けない年もあれば、ずっと雨続きでトレッキングや観光どころではない年もあり、さまざま。雨期明けは9月末~10月初旬にかけて。 |
10月 |
完全に乾季となるのは10月半ば頃から。このころからトレッキング・旅行シーズンが始まる。旅行者で各地込み合い、トレッキング地ではどのルートもロッジの個室が確保しにくくなる。特に1名参加のトレッキングでは、個室確保は、宿代を多めに払っても、いくら交渉しても、ほぼ不可能。 例年、ネパール最大の祭・ダサイン大祭およびティハール大祭がこの時期と重なる。これらのメインの日は休業するレストランも増え、バスやタクシーの運行数は減り、旅行者にとっては不便を感じることも。こちらの指定する時間の貸切車手配ができないこともあるため、できればこの日の移動は避けて計画するのがベター。 ダサイン日程は太陰暦によって設定されるため、毎年異なるのも、また厄介。 標高3500m付近で初雪がふるのが例年10月末頃。 |
11月 |
引き続きベストシーズンで各地込み合う。混雑をトレッキングは避けたい人は、11月半ば過ぎ頃からのトレッキングがお勧め。 しかし11月半ば頃から一気に気温も下がり始め、高地では室温も0度を切り寒さ厳しくなる季節。霧やもやによりルクラ便が欠航となることも多いので油断できない。 |
12月 |
中旬頃から朝霧が発生すしやすくなり、国内線運航に影響が出る。特に年末年始は、ルクラ便やマウンテンフライトは長時間遅延や欠航となりやすい。年末年始の限られた日程でトレッキングに行く場合は、国内線欠航の少ないポカラ方面、ランタン方面が無難。 寒くなる季節ですので、防寒対策もしっかりと。アンナプルナベースキャンプへ行く場合は軽アイゼンがあった方がよいかも。 |
雨季中トレッキングに行く方は、山ビル被害からは逃れられません。標高3000m程度までの地点では、山ビルが大量発生し、肌を露出していなくても、靴の縫い目などから内部に侵入します。どんなに対策していても防ぐことはほぼ不可能ですので、覚悟が必要です。
参考ページ: ヒルに注意!雨期中のネパールトレッキング(閲覧注意)